Skip to main content

HRAIT – Employment Agency

btob sales

 

はじめに

アメリカでビジネスを伸ばそうとする日系企業にとって、法人営業(BtoBセールス)は売上に最も直結するポジションです。

メーカー、商社、食品ディストリビューション、IT、物流、保険、産業機器など、業種を問わず「現地の顧客に自社の商品やサービスを売れる人」がいなければ、アメリカ市場での事業拡大は前に進みません。

ところが実際の採用現場では、この営業ポジションこそが最も埋まりにくい求人になっています。

求人を出しても応募が集まらない。応募が来ても求める経験と合わない。ようやく採用しても、1年経たずに辞めてしまう。

こうした声が、アメリカの日系企業の採用担当者から繰り返し聞かれます。

背景にあるのは、アメリカの営業人材市場そのものの構造変化です。

営業職は離職率が突出して高く、求人1件あたりの候補者数がきわめて少ない職種になっています。

そこに日系企業特有の条件、つまり日英バイリンガル人材の希少性、日本本社との調整業務、日本式の営業スタイルへの適応といった要素が重なることで、難易度がさらに一段上がります。

この記事では、飲食・レストラン以外の一般企業、メーカー・商社・IT・物流・サービス業などにおける法人営業ポジションに絞って、アメリカでの採用が難しくなっている背景、採用担当者が直面しているリアルな課題、2026年の最新トレンド、そして採用ミスマッチを防ぐための具体策までを整理します。

この記事でわかること

• アメリカの営業職市場で採用が難しくなっている背景と最新データ
• 日系企業の採用担当者が営業ポジションで抱えるリアルな課題
• 2026年のBtoB営業採用トレンド、AI活用・要件の具体化・報酬設計
• 採用ミスマッチを防ぐために企業側ができること
• HRAITとHRAIT IQ+ Ver.2.0でできること

なぜアメリカで法人営業(BtoBセールス)の採用が難しくなっているのか?

数字で見るアメリカの営業職採用

• 営業職の年間求人見込み:約14万2,100件/年(BLS、2024〜2034年の年平均)
• 同職種の10年間の雇用成長率:+1%(BLS、2024〜2034年)
• 営業職の年間離職率:35%(HubSpot / Xactly、2025年)
• BtoB営業求人1件あたりの候補者数:3人(Gartner)

求人は毎年14万件、しかしそのほとんどが「欠員の補充」

米国労働統計局(BLS)によると、卸売・製造業の営業担当(Wholesale and Manufacturing Sales Representatives)の求人は、2024年から2034年にかけて年平均で約14万2,100件発生すると見込まれています。

数字だけを見ると市場は大きいのですが、注目すべきは同じ期間の雇用成長率がわずか1%にとどまっている点です。

つまり、毎年発生する14万件超の求人の大半は、事業拡大による増員ではなく、辞めた人の穴を埋めるための欠員補充だということです。

営業ポジションの募集が絶えないのは市場が伸びているからではなく、人が回転し続けているからだ、という構造をまず押さえておく必要があります。

営業職の離職率は全職種平均の約2.7倍

営業職の年間離職率は35%とされており、全職種平均の13%に対して約2.7倍の水準です。

10人の営業チームであれば、1年のうちに3〜4人が抜け、残るのは65%程度という計算になります。

日系企業にとっては、採用したそばから次の欠員が生まれる状態が常態化しやすいということです。

図:営業職の高い離職率が採用コストに与える影響

営業職の高い離職率が採用コストに与える影響

高い離職率は、単に採用工数が増えるという話にとどまりません。

営業担当が顧客との関係を築き、商談を数字に変えられるようになるまでには時間がかかります。

立ち上がる前に離職が起きると、育成にかけたコストも、顧客との関係も同時に失われます。

求人1件あたりの候補者は3人という薄い母集団

Gartnerの分析では、米国のBtoB営業職の求人1件に対して、応募可能な候補者は3人しかいないとされています。

他の職種であれば、募集を出せば一定の母集団が形成され、その中から選ぶという流れが成立します。

営業職では、そもそも選べるだけの候補者が集まらないところから始まります。

この状況で「まずは求人を出して待つ」という受け身の採用を続けると、応募がないまま数か月が経過し、その間の売上機会を失うことになります。

報酬レンジのギャップが応募の入り口を狭めている

BLSの2024年5月時点のデータでは、技術・科学製品の営業担当の年収中央値は10万70ドル、それ以外の製品の営業担当は6万6,780ドルです。

技術知識が求められる領域ほど報酬水準が高く、日系メーカーや産業機器商社が採用したい層は、まさにこの高い方のレンジに位置します。

一方で、日系企業の求人票では日本本社の給与テーブルを基準にした金額が設定されるケースがあり、現地の相場と開きが出ることがあります。

候補者は求人票の金額を見て応募するかどうかを決めるため、この差が母集団形成の最初の段階でブレーキになります。

日英バイリンガル営業の母集団は、さらに小さい

日系企業の営業ポジションでは、日本本社への報告や仕様確認、来日出張への対応といった業務が伴うことが多く、日英バイリンガル人材が求められます。

しかし、その母集団は縮小方向にあります。

外務省の海外在留邦人数調査統計によれば、在米日本人数は2024年10月1日現在で41万3,380人です。

さらに、2020年の米国国勢調査をもとにした分析では、在米日本人の49.1%が60歳以上とされており、就労世代に限ると母数は半分以下になります。

「日英バイリンガル」かつ「BtoB営業の実務経験がある」という二つの条件を同時に満たす人材は、アメリカ全体で見てもきわめて限られた層です。

日系企業の採用担当者は営業ポジションで何に困っているのか?

アメリカで営業職の採用に関わる日系企業の担当者から、次のような悩みが繰り返し聞かれます。

求人を出しても応募が集まらない

IndeedやLinkedInに掲載しても、営業経験のある候補者からの応募がほとんど入らない。

Gartnerの示す「1件あたり3人」という母集団の薄さが、そのまま現場の体感になっています。

応募は来るが、求めている営業経験と噛み合わない

小売の販売経験やインサイドセールスの経験はあっても、法人相手に長期の商談を組み立て、契約まで持っていける人材が見つからない。

同じ「営業」という言葉でも、BtoCとBtoB、新規開拓とアカウント管理では必要な力がまったく異なります。

日英バイリンガル人材の絶対数が少ない

日本本社とのやり取りが発生するポジションでは日英両方が必要になりますが、就労世代の在米日本人が限られるなか、営業実務の経験まで備えた候補者はさらに少なくなります。

英語ができても、日本企業の商習慣に馴染まない

現地採用の営業担当が、稟議のスピード感、報連相の細かさ、価格決定に本社承認が必要な構造などに戸惑い、「アメリカ流の裁量で動けない」ことを理由に早期離職するケースが起きています。

面接だけでは営業力を見極めきれない

営業職の候補者は、面接の場で自分を売り込むことに慣れています。

話が上手いことと、継続的に数字を作れることは別物ですが、短時間の面接でその差を見抜くのは容易ではありません。

採用してもすぐ辞めてしまう

営業職の離職率35%という水準は、日系企業にも当てはまります。

採用と退職を繰り返すうちに、顧客の引き継ぎが追いつかず、既存顧客との関係にも影響が出ることがあります。

報酬・インセンティブ設計を本社と合わせにくい

アメリカの営業職では、ベース給とコミッションを組み合わせた報酬設計が一般的です。

しかし、日本本社の人事制度との整合を取るのに時間がかかり、その間に候補者が他社のオファーを受けてしまうことがあります。

現場が忙しく、採用に時間をかけられない

営業マネージャー自身がプレイヤーとして数字を持っているため、書類選考や面接に十分な時間を割けないケースがあります。

結果として選考が長引き、候補者を取り逃がすという悪循環が起きています。

2026年、アメリカのBtoB営業採用のトレンドはどう変わったのか?

「営業経験あり」では要件にならなくなった

2026年の採用市場では、求人票の書き方そのものが変わってきています。

「営業経験3年以上」といった漠然とした条件ではなく、新規開拓なのか、既存アカウントの拡大なのか、商談サイクルの長さはどれくらいか、扱う商材の単価帯はどこか、といった粒度で要件を定義する企業が増えています。

母集団が薄いからこそ、合う人にピンポイントで届く求人票が求められています。

営業担当の時間の使い方が採用要件を変えている

Salesforceの「State of Sales 2026」によると、営業担当が実際の販売活動に使えている時間は全体の約40%にとどまり、残りの60%はデータ入力、資料作成、社内報告といった非営業業務に費やされています。

日系企業では本社向けの報告資料作成が加わるため、この比率がさらに偏りやすくなります。

採用の場面でも、「売る力」だけでなく、社内調整と報告を効率よく回せるかが実務上の評価軸になりつつあります。

営業組織のAI活用が標準になりつつある

同じくSalesforceの調査では、営業組織の87%が何らかの形でAIを活用しているとされています。

見込み客のリサーチ、リードのスコアリング、メール文面の作成などが対象です。

営業ツールを使いこなせるかどうかが、採用時のスキル要件として明示されるケースも出始めています。

日系企業でも、CRMを運用に載せられる人材かどうかは確認しておきたいポイントです。

日系企業の採用は「数を採る」から「厳選して長く働いてもらう」へ

JETROの2025年度 海外進出日系企業実態調査(北米編、2025年9月実施、回答735社)では、在米日系企業の66.5%が2025年の営業利益を黒字見込みと回答した一方、人件費の上昇が営業利益を圧迫する要因として挙げられています。

コストが上がるなかで採用枠を増やすのは難しく、1名あたりの採用の質を上げる方向にシフトしています。

営業職のように離職コストが大きいポジションでは、この傾向がより強く出ています。

アメリカの日系企業が採用すべき営業人材とはどんな人か?

営業職の採用では、職務経歴書に並んだ実績だけで判断すると失敗しやすくなります。

次の3つの軸を組み合わせて見ることが、採用精度を上げる近道です。

評価軸確認するポイント採用判断で重要な理由
BtoB営業スキル法人顧客への提案経験、新規開拓・既存深耕、CRMを使ったパイプライン管理アメリカ市場で実際に数字を作れるかを確認するため
橋渡し力日本本社と現地顧客の間で期待値を調整できるか価格・納期・仕様確認などで商談を止めないため
定着可能性転職理由、在籍年数、商材への関心、報酬以外の動機高い離職率の中で長く活躍できる人材を見極めるため

軸1:アメリカの商習慣で数字を作れるBtoB営業スキル

自社の商材と近い単価帯・商談サイクルで、法人顧客を相手に成果を出してきた経験があるかどうかが土台になります。

新規開拓型なのか、既存顧客の深耕型なのかによって必要な適性は異なるため、自社が今どちらを必要としているのかを先に定義しておくことが重要です。

CRMを使ったパイプライン管理の習慣がある候補者は、入社後の立ち上がりが早くなる傾向があります。

軸2:日本本社と現地をつなぐ橋渡し力

完全なバイリンガルでなくても、日本側の意思決定プロセスを理解し、現地顧客との間で期待値を調整できる人材は、日系企業の営業ポジションで高い価値を発揮します。

価格や納期の決定に本社承認が必要な場面で、顧客を待たせずに関係を維持できるかどうかは、実務上きわめて大きな差になります。

語学力そのものよりも、二つの意思決定文化の間に立てる力を見るという発想が有効です。

軸3:長期的に走り続けられる定着可能性

営業職の年間離職率が35%という市場では、「辞めにくさ」がそのまま採用の成果につながります。

転職の間隔と理由、前職での在籍年数、なぜ自社の商材に関心を持ったのかを丁寧に確認することで、定着可能性はある程度見立てられます。

報酬だけを理由に転職を繰り返してきた候補者は、同じ理由で自社を離れる可能性も考慮しておく必要があります。

営業職の採用ミスマッチを防ぐために企業ができることは?

求人票で「どんな営業か」を具体的に書き切る

「営業職募集」ではなく、担当する顧客層、商材、商談サイクル、想定される移動頻度、既存アカウントと新規開拓の比率まで書くことで、合わない応募が減り、合う候補者の反応率が上がります。

母集団が薄い職種では、量を集めるよりも精度を上げる方が現実的です。

報酬とインセンティブ設計を現地相場に合わせて先に決めておく

BLSの中央値、技術・科学製品で10万70ドル、それ以外で6万6,780ドルを目安に、ベース給とコミッションの比率、支給タイミング、目標設定の考え方まで整理しておくと、選考中の条件交渉がスムーズになります。

本社との調整は、候補者と会う前に済ませておくのが理想です。

面接では「プロセス」を聞く

過去の実績数値だけでなく、どうやってその案件を取ったのか、失注した案件で何を学んだのか、顧客の意思決定者にどうアプローチしたのかといったプロセスを掘り下げると、話の上手さと実力の差が見えやすくなります。

可能であれば、自社の商材を想定したロールプレイを選考に組み込むのも有効です。

選考スピードを本社と現地で合わせておく

候補者が3人しかいない市場では、選考が長引くこと自体が最大のリスクです。

誰が何を判断するのか、承認は何営業日以内に返すのかを事前に決めておくだけで、取り逃がしはかなり減らせます。

入社後90日の立ち上がりを設計する

営業職は「採用して終わり」の度合いが特に低い職種です。

担当顧客の引き継ぎ、商材知識のインプット、社内の承認フローの共有を最初の90日で計画的に行うことが、その後の定着と成果を左右します。

日本本社への報告フォーマットや期待される頻度も、早い段階で明示しておくと文化的な摩擦を減らせます。

アメリカの営業職採用に対してHRAITができること

業種の特性・企業文化・現地の採用事情を踏まえた採用パートナーとして、営業ポジションの採用活動全体をサポートします。

母集団の薄さ、高い離職率、日英バイリンガル人材の希少性、報酬設計のギャップ、日本本社との調整。

ここまで整理してきた営業職の採用課題は、現地の営業人材市場を理解したパートナーがいるかどうかで、対応のしやすさが大きく変わります。

HRAITは、アメリカの日系企業に特化した人材紹介・採用支援サービスとして、営業ポジションの採用課題に合わせた人材提案を行っています。

  • BtoB営業経験者・日英バイリンガル人材のご紹介
  • 採用要件の整理と求人票の見直しサポート
  • 現地相場を踏まえた報酬・インセンティブ設計のご相談
  • 候補者のスクリーニング・面談代行
  • 日本企業の商習慣に合うカルチャーフィットの見極め
  • 採用後の定着を見据えたマッチング

「人材を紹介するだけ」ではなく、業種・職種・企業文化に合った営業人材を一緒に見つける採用パートナーとして伴走します。

HRAIT IQ+で、営業ポジションに合った人材をより見つけやすく

HRAITが独自開発したAI採用支援ツール「HRAIT IQ+」を活用することで、8,000人を超えるデータベース登録者の中から、営業職の評価軸に合った候補者を見つけやすくなります。

職務経歴書だけでは判断しにくい商談経験の中身、扱ってきた商材の単価帯、語学レベル、カルチャーフィットを確認しやすくなり、候補者の検索・比較・管理にかかる工数を削減できます。

HRAIT IQ+ でできること

8,000人超のデータベースから、営業職向けの評価軸で候補者を検索
• 職務経歴書だけではわからない経験・スキル・適性・カルチャーフィットを確認
• 候補者の検索・比較・管理を一元化し、採用工数を削減
• 採用ミスマッチの防止と採用精度の向上をサポート

大幅アップデートされたHRAIT IQ+ Ver.2.0では、候補者対応・面接調整・採用プロセスの管理まで一元化しやすくなりました。

採用担当者の工数削減と採用精度の向上を、よりスピーディーかつ効率的にサポートします。

候補者が限られ、選考スピードが結果を左右する営業職の採用において、HRAIT IQ+ Ver.2.0は意思決定のスピードアップと採用ミスマッチの削減に貢献します。

まとめ|アメリカで営業人材の採用を成功させるために

この記事のポイント

• 営業職の求人は年間約14万2,100件発生する一方、雇用成長率は1%。求人の大半は増員ではなく欠員補充
• 営業職の年間離職率は35%で、全職種平均13%の約2.7倍。10人のチームなら1年で3〜4人が入れ替わる
• BtoB営業の求人1件あたりの候補者は3人。待ちの採用では母集団が形成されない
• 日系企業ならではの壁:日英バイリンガル人材の希少性・本社との調整・報酬設計のギャップ
• 採用ミスマッチを防ぐには「営業スキル」「橋渡し力」「定着可能性」の3軸で評価することが重要
• HRAIT IQ+ Ver.2.0で、8,000人超のデータベースから営業ポジションに合った人材を効率よく探せる

アメリカの日系企業が営業ポジションで直面している課題は、単なる「応募が来ない」という問題ではありません。

母集団の薄さ、高い離職率、報酬相場とのギャップ、日本本社との調整、そして日英バイリンガル人材の減少。

これらが複合的に絡み合っています。

求人票の解像度を上げ、報酬設計を先に固め、選考スピードを整え、入社後90日の立ち上がりまでを一体で設計すること。

これが、限られた候補者の中から自社に合う営業人材を採用し、長く働いてもらうための現実的なアプローチです。

HRAITは、アメリカの日系企業の営業採用に精通したパートナーとして、最適な人材提案と採用支援を行います。

HRAIT IQ+ Ver.2.0を活用することで、8,000人超の登録者データベースから、より効率的に自社に合った人材を見つけやすくなります。

アメリカでの営業職採用に課題を感じている日系企業様は、ぜひHRAITにご相談ください。業種・職種ごとの採用課題に合わせて、最適な人材提案と採用支援を行います。

▼ HRAITへの採用・人材活用のご相談はこちらから

営業職・BtoBセールス人材の採用、求人要件の整理、候補者の見極め、採用後の定着支援まで、HRAITがアメリカでの採用活動をサポートします。

HRAITは、アメリカで事業を展開する企業の採用活動と人材活用をサポートします。

参考情報