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HRAIT – Employment Agency

software engineer

IT・Web業界で「アメリカで働きたい」と考えたとき、真っ先に候補に挙がるのがソフトウェアエンジニアだと思います。

実際、アメリカの就労ビザの世界では、この職種はまぎれもない主役です。

米国移民局(USCIS)が議会に提出した報告書によると、H-1Bビザの承認のうち65.0%がコンピュータ関連職でした。

ただし「主役である」ことと「入りやすい」ことは、まったく別の話です。

同じ報告書を細かく見ていくと、コンピュータ関連職のH-1B承認のうち、新規に発生した初回雇用は4分の1しかありません。

残りは、すでにアメリカで働いている人の更新や転職に伴うものです。

この記事は、ソフトウェアエンジニア、BLSの職業分類では Software Developers(15-1252)という1職種にしぼって書いています。

アメリカでの求人規模と賃金、どのビザが現実的なのか、そして日本にいるうちに何を積んでおくべきか。

数字はすべて政府統計などの一次情報から取り、ビザの条件は移民局と国務省、官報の原文で確認しています。

都合の良い話だけを並べても進路選びの役には立たないので、いま起きている逆風も正直に書きます。

この記事でわかること

  • アメリカのソフトウェアエンジニアの雇用規模・年収・雇用予測
  • H-1B承認25万1,084件の中身。新規の枠はどれだけあるのか
  • この職種で現実的なビザの選択肢(H-1B、E-2、L-1)と、それぞれの壁
  • AIが若手エンジニアの雇用に与えている影響
  • 日本にいるうちに積んでおくべきキャリア・スキルの3軸
  • 就職・転職を考えるときによくある不安への答え
  • HRAITとHRAIT IQ+でできること

アメリカのソフトウェアエンジニアは、いま需要があるのか?

アメリカのソフトウェアデベロッパーは168万7,890人

中位年収は13万5,980ドルで、雇用は2024年から2034年にかけて15%増と予測されています。

出典:U.S. Bureau of Labor Statistics

アメリカ ソフトウェアエンジニア 求職者向けデータ

  • 全米の雇用者数:168万7,890人(2025年5月、BLS)
  • 中位年収:13万5,980ドル(2025年5月、BLS)
  • 雇用予測:15%増(2024〜2034年、BLS)
  • H-1B承認に占めるコンピュータ関連職の割合:65.0%(FY2023、USCIS)

雇用規模も賃金も、他職種とは桁が違う

米国労働省労働統計局(BLS)の職業別雇用・賃金統計(OEWS)によると、2025年5月時点で全米のソフトウェアデベロッパーは168万7,890人です。

中位年収は13万5,980ドル、平均年収は14万8,100ドルでした。

年収の幅も見ておきます。

下位10%が8万2,460ドル、25%が10万5,210ドル、75%が17万1,980ドル、上位10%が21万4,670ドルです。

つまり、この職種は入口の段階でも8万ドル台からで、経験と役割が上がれば20万ドルを超える層がはっきり存在します。

アメリカで働く職種として賃金面の魅力が大きいことは、データからも裏づけられます。

雇用予測も強気です。

BLSの職業別ハンドブックは、ソフトウェアデベロッパー・ソフトウェア品質保証アナリスト・テスターの3職種を合わせた雇用が2024年から2034年にかけて15%増、全職種平均を大きく上回るペースで伸びると予測しています。

伸びの理由として、AI、IoT、ロボティクスなど自動化領域のソフトウェア開発が拡大し続けることを挙げています。

年間12万9,200件の求人は、ほとんどが「補充」

ここは正確に見ておく必要があります。

BLSは、この3職種合計で今後10年、年平均約12万9,200件の求人が生じると見込んでいます。

数としては非常に大きいのですが、その多くは新設ポジションではありません。

BLSは原文で、求人の多くは他職種へ移る人や労働市場から離れる人を補うために生じると明記しています。

「業界が伸びているから未経験でも入りやすい」という理解は、この職種でも正確ではありません。

伸びているのは事実ですが、開いている入口の大半は、誰かが抜けた席です。

逆風もある。若手の雇用は相対的に減っている

強気な予測の一方で、いま現実に起きていることも見ておく必要があります。

スタンフォード大学デジタル・エコノミー・ラボのErik Brynjolfsson氏らが2025年11月に公表した論文「Canaries in the Coal Mine?」は、全米最大級の給与計算サービスの実データを用いて、生成AIの普及後にAI露出度の高い職種の22〜25歳の雇用が16%の相対的減少を示したと報告しています。

これは、同じ職種の経験者やAI露出度の低い職種と比べたときの相対値で、企業単位のショックを調整したうえでの数字です。

同論文は、減少が「AIが人の労働を補完するより代替する方向に働く職種」に集中しているとしています。

ソフトウェア開発は、この研究をめぐる報道でAI露出度の高い職種の代表例として繰り返し挙げられてきた領域です。

BLSの10年予測と矛盾するように見えますが、そうではありません。

職種全体のパイは伸びる、しかし新卒相当のエントリー層の入口はいま狭まっている。

この2つは同時に起きています。

日本からアメリカを目指す方にとっての示唆ははっきりしています。

「未経験からアメリカで」ではなく、日本で実務経験を積んでから設計とレビューができる層として出ていく。

この順番のほうが、いまの市場では圧倒的に現実的です。

アメリカでソフトウェアエンジニアとして働くには、どのビザが現実的か

この職種は、ビザの観点では有利な条件をいくつも備えています。

学位が標準要件であること、専攻分野(コンピュータサイエンス)と職務の対応が明確なこと、賃金水準が高いこと。

いずれもH-1Bの土俵で効いてきます。

それでも2026年の環境では、簡単な道ではありません。

H-1B:制度上は本丸。ただし枠の競争が厳しい

USCISはH-1Bの「specialty occupation(専門職)」の要件を、高度に専門化された知識の理論的・実務的応用を要し、かつ直接関連する特定の専攻分野の学士以上がその職業に就くための最低要件であること、と定めています。

コンピュータサイエンスや情報工学の学位を持つソフトウェアエンジニアは、この「直接関連する特定の専攻分野」の立証がしやすい、数少ない職種のひとつです。

実績もそれを示しています。

USCISの議会報告書「Characteristics of H-1B Specialty Occupation Workers」(FY2023)によると、承認されたH-1B petitionsは全体で38万6,318件、うちコンピュータ関連職が25万1,084件65.0%を占めました。

次に多い建築・エンジニアリング・測量の9.5%を大きく引き離しています。

さらに細かい分類では「システム分析・プログラミング」だけで全受益者の54%を占めます。

ただし、この25万1,084件の中身を見ると景色が変わります。

同報告書のAppendix D Table 7によると、コンピュータ関連職の承認のうち、初回雇用(initial employment)は6万4,643件25.7%、継続雇用(continuing employment)は18万6,441件74.3%でした。

つまり4件のうち3件は、すでにH-1Bで働いている人の延長や転職に伴うものです。

外から新しく入る枠は、見かけの総数ほど大きくありません。

2026年時点では、さらに次の条件が加わっています。

  • 年間の枠は通常枠6万5,000件と、米国の修士以上を対象とした免除枠2万件の合計8万5,000件です。USCISは2026年7月17日、FY2027の枠が埋まり、追加抽選は行わないと発表しました。FY2027の登録は約21万1,600件で、FY2026の33万6,153件からは大きく減りましたが、それでも枠に対して2.5倍近い競争です。
  • FY2027の抽選から、完全なランダム抽選ではなく賃金加重選抜が導入されました。DHSの最終規則は2025年12月29日に官報公示され、2026年2月27日に施行されています。労働省の実勢賃金レベルIVは抽選プールに4口、レベルIIIは3口、レベルIIは2口、レベルIは1口という仕組みです。中位年収13万5,980ドルという賃金水準は、この制度では追い風になります。逆にエントリーレベルの提示賃金だと、抽選の段階で不利になります。
  • 2025年9月の大統領布告による10万ドルの追加支払いについては、2026年6月8日にマサチューセッツ州の連邦地裁が違法な課税にあたるとして無効判決を出し、2026年7月24日には第1巡回区控訴裁が政府による執行停止の申立てを却下しました。2026年7月27日時点で、この支払い要件は適用されていません。ただし控訴は継続中で、今後覆る可能性があります。制度の柱として当てにするのは避け、応募時点の最新状況を移民弁護士に確認してください。

滞在期間は初回最長3年、延長を含めて通算最長6年です。

参考として、H-1B承認者全体の中位年間報酬は11万8,000ドルでした。

初回雇用に限ると9万4,000ドル、継続雇用では12万9,000ドルです。

アメリカでキャリアを重ねるほど報酬が上がる構造が、ここにも出ています。

E-2エッセンシャル・エンプロイー:日系企業に就くなら現実的な選択肢

日本企業が米国で運営する法人に就く場合、E-2ビザの「エッセンシャル・エンプロイー(不可欠な従業員)」という区分があります。

米国国務省の外交マニュアル(9 FAM 402.9-7(C)、2026年2月17日改訂)は、この区分の要件を「専門的技能(specialized skills)を持ち、その技能が企業にとって必要とされること」とし、立証責任は企業と申請者の側にあるとしています。

専門性を判断する要素として、同マニュアルは6項目を挙げています。

技能の習得に必要な経験と訓練、技能の希少性、同じ技能を持つ米国人労働者を確保できるかどうか、その専門性が得られる給与水準、申請者の実証された専門性の程度、そして職務の機能です。

ソフトウェアエンジニアにとって、この「同じ技能を持つ米国人労働者の確保可能性」という判断要素は、正直に言えば厳しく働きます。

アメリカ国内に168万人を超えるソフトウェアデベロッパーがいる以上、「一般的なWebアプリケーション開発ができる」だけでは、代替しにくさを説明しづらいからです。

説得力を持たせるには、技術以外の軸を重ねる必要があります。

日本本社の基幹システムや自社プロダクトの内部仕様を熟知していること、日本側の業務要件を英語の技術仕様に落とし込めること、特定の業務ドメイン、たとえば製造の生産管理、金融の決済、物流の在庫最適化などの知識を持っていること。

この「日本本社との接続点」が、米国内で採用できる人材との差になります。

なお同マニュアルは、通常の技能を持つ労働者がエッセンシャルと認められるのは、ほぼスタートアップ期か研修目的の一時的な場合に限られるとも書いています。

経験の浅い段階でこの区分を狙うのは、制度の設計上あまり開かれていません。

L-1:日本本社に一度入ってから米国拠点へ

日本の親会社から米国拠点へ転勤する形であれば、L-1ビザ(企業内転勤)が使えます。

USCISは対象者の要件として「米国入国の直前3年間のうち1年間、継続して海外の適格な関連企業で勤務していたこと」、そしてL-1Aの場合は「米国では幹部職または管理職として就労すること」を挙げています。

L-1Aは延長を重ねて最長7年です。

ソフトウェアエンジニアにとって、この道は現実的な選択肢です。

米国拠点を持つ日系メーカー、SIer、金融機関、通信会社などに日本で入社し、開発リーダーやエンジニアリングマネージャーとして実績を積んでから転勤の機会をうかがう。

時間はかかりますが、抽選も枠の上限もありません。

米国での新規の現地採用には使えない制度なので、キャリアの順番を先に設計しておく必要があります。

なお、アメリカの大学でコンピュータサイエンスなどの学位を取る道を選べる方であれば、卒業後のOPT(研修目的の就労許可)とそのSTEM分野向け延長を経て就職する経路もあります。

ただし本記事は日本にいる方を主な読者としているため、ここではH-1B、E-2、L-1を中心に扱います。

日本で積んでおくべきキャリアとスキル

ここまでのビザの話を踏まえると、日本にいるうちに何を積むべきかは、かなりはっきりします。

3つの軸に整理します。

軸1:賃金レベルで勝負できる専門性を作る

FY2027から賃金加重選抜が入ったことで、H-1Bは「提示される賃金レベルが高いほど有利」という制度になりました。

レベルIVは4口、レベルIは1口という差は、抽選の段階で決定的です。

これは求職者にとって、狙うべきポジションの階層が上がったことを意味します。

具体的には、コードが書けるだけでなく、設計判断ができる、他のエンジニアのコードをレビューできる、技術選定の理由を説明できる、といった層です。

クラウドインフラ、分散システム、機械学習基盤、セキュリティなど、実勢賃金が高く設定されやすい領域の経験があれば、さらに有利になります。

日本にいるうちにシニアエンジニアやテックリードの役割まで到達しておくことが、そのままビザの通りやすさにつながります。

軸2:数字で語れる開発実績とドメイン知識を積む

E-2で「専門的技能」を立証するときも、L-1で「管理職としての実務」を示すときも、面接で強みを説明するときも、抽象的な自己申告は通りません。

担当したシステムの規模、たとえばユーザー数、トランザクション数、データ量、性能改善の幅、削減したコスト、率いたチームの人数、リリース頻度。

こうした数字を、日本で仕事をしているうちから自分の実績として記録しておいてください。

加えて、特定の業務ドメインの知識は、そのまま「同じ技能を持つ米国人労働者の確保可能性」への反論材料になります。

技術だけの勝負に持ち込まないことが鍵です。

軸3:日英で要件定義まで詰め切れる「橋渡し」力を重ねる

日系企業を目指すのであれば、ここに日英バイリンガル力が加わります。

ただし、語学は単体では専門性の根拠になりません。

E-2の判断要素6項目に「日本語ができること」は含まれていません。

効いてくるのは、語学が技術と結びついた形です。

日本本社の担当者と日本語で業務要件を詰め、それを米国側のエンジニアやベンダーに英語の技術仕様として渡し、認識のズレを埋めながらリリースまで持っていく。

この一連ができる人は、米国内で採用できる日英バイリンガル人材とも、日本語ができない現地エンジニアとも違う価値を持ちます。

「日本語ができる」ではなく、「日本本社と米国拠点のあいだで、仕様と工数を詰め切れる」という形まで持っていけると、代替しにくい人材として説明できるようになります。

就職・転職を考えるときによくある不安

Q. 未経験からアメリカでソフトウェアエンジニアになれますか?

まったくの未経験からアメリカで、という道はかなり険しいのが実情です。

H-1Bは賃金加重選抜でエントリーレベルが不利になり、E-2は専門性と希少性の立証が中心にあり、そこにスタンフォード大の研究が示す22〜25歳の16%の相対的減少が重なります。

日本国内で実務経験を積み、設計とレビューができる層になってから米国を目指すほうが、結果的に近道になります。

Q. 中位年収13万5,980ドルという数字は、そのまま期待していい水準ですか?

これは全米の中位値です。

ソフトウェア開発の求人が集中するサンフランシスコ・ベイエリア、シアトル、ニューヨークといった地域は生活費も高く、額面の高さがそのまま可処分所得の高さにはなりません。

一方で下位10%でも8万2,460ドル、上位10%は21万4,670ドルという幅がありますから、どの階層のポジションを狙うかで見える景色が大きく変わります。

求人を見るときは、額面だけでなく勤務地の生活費、健康保険、401(k)、株式報酬の有無を合わせて判断してください。

Q. H-1Bの10万ドルの支払いは、結局いま必要なのですか?

2026年7月27日時点では適用されていません。

2026年6月8日の連邦地裁の無効判決に対し、政府が控訴しましたが、2026年7月24日に第1巡回区控訴裁が執行停止の申立てを却下したためです。

ただし控訴審は継続中で、判断が覆れば再び適用される可能性があります。

この記事では、公表されている範囲を超えた断定はしません。

応募や申請のタイミングでは、必ず移民弁護士に最新の状況を確認してください。

Q. AIが書けることが増えたら、エンジニアの仕事はなくなりませんか?

BLSは逆に、AIやIoT、ロボティクスのソフトウェア開発が拡大することを、この職種が15%増と予測される理由に挙げています。

一方でスタンフォード大の研究は、AIが人の労働を代替する方向に働く職種で若手の雇用が減っていることを示しています。

この2つを合わせて読むと、なくなるのは職種そのものではなく、指示どおりにコードを書くだけの役割だと考えるのが自然です。

求められる位置が、実装から設計・判断・検証の側へ動いています。

Q. 求人がビザスポンサー付きかどうか、どう見分けますか?

求人票に「就労資格が必要」とだけ書かれている場合、スポンサーがあるのか、すでに独立した就労資格を持つ人向けなのかは読み取れないことがあります。

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まとめ|ソフトウェアエンジニアという選択肢を、正確に見積もる

  • アメリカのソフトウェアデベロッパーは168万7,890人、中位年収13万5,980ドル、平均年収14万8,100ドルです。下位10%でも8万2,460ドル、上位10%は21万4,670ドルです。
  • 雇用はソフトウェアデベロッパー・QAアナリスト・テスター合計で2024〜2034年に15%増、年平均約12万9,200件の求人が見込まれています。ただしその多くは転職・離職の補充にあたります。
  • 一方でスタンフォード大の研究は、AI露出度の高い職種の22〜25歳16%の相対的な雇用減少を報告しています。伸びる職種であっても、エントリー層の入口はいま狭い状況です。
  • H-1B承認の65.0%25万1,084件はコンピュータ関連職です。この職種はH-1Bの本丸と言えます。
  • ただしその内訳は、初回雇用6万4,643件25.7%)に対し、継続雇用18万6,441件74.3%)です。外から新しく入る枠は総数ほど大きくありません。
  • FY2027の枠8万5,000件に対し、登録は約21万1,600件です。FY2027から賃金加重選抜が導入され、賃金レベルが高いほど有利になりました。
  • 10万ドルの追加支払いは2026年7月27日時点で適用されていません。ただし控訴は継続中です。
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  • 日本で積むべきは、賃金レベルで勝負できる専門性、数字で語れる開発実績とドメイン知識、日英で要件定義まで詰め切れる橋渡し力です。
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